師範 都築諒

私の書道との出会いは5歳の頃、姉の書道教室について行った時です。たしか最初に書いたのは「ー」と「○」。先生から花丸が貰えるのがとても嬉しかったのを覚えています。それから気がつけば高校生まで通い続けていましたが、あくまでも習い事という感じで、細々と続けていただけでした。

そんな気持ちが変わったのは大学生の頃。なんとなく入部した書道部で出会ったのは、全国大会に向け一心不乱に作品製作に取り組む先輩方の姿でした。「あんな作品が書いてみたい」と思ったのは初めてで、その後の大きな原動力になりました。それから大会期間中は毎日のように(講義を少し疎かにして…)、朝から夜まで紙に向かいました。うまく書けた時、書けなかった時、その一喜一憂の中にも間違いなく楽しいという感情がありました。私が何かに打ち込むことの楽しさに気付いたのはこの経験からかもしれません。それから、書道パフォーマンスやワークショップなどの活動にも参加し、さらに書道の魅力に惹かれていきました。

時は過ぎ、気付けば社会人になっても書道を続けているという事実に驚いていますが、いまだに書道が好きな気持ちは変わりません。私にとって書道は、たまたま続けていたものでしたが、もしかしたら今後生涯の趣味になるかもしれないと思うと、たまたまでも、続けていて良かったなと思っています。