師範 長谷川麗洋
一本の線を書く。
大人になって再開した書道で、その難しさとおもしろさを感じています。
子供の頃は字の形に意識が向いていたけれど、今は文字を形作る線にも意識が向くようになりました。
お稽古で先生がよくおっしゃるのは「力を抜く。そうすれば筆は勝手についてくる」というものです。
そうおっしゃる先生の手元を見れば、筆はなめらかに動いて線の太さも強弱も自由自在。見ているだけで気持ちいいです。
私もそんな風に書けたらとやってみますが、頭では分かっていてもつい力が入ってしまい、思うように書けません。
それでも時々、「あ、筆が動いてる」と感じられることがあります。そういう時は書いていてなんのひっかかりもなく、気持ちいい。でも、どうして書けたのかちゃんと分かっていないから、再現ができません。まだ偶然頼みの実力です。
これが自然とできるようになったら、もっと書くことの楽しさを感じられるようになるのだろうなと思います。長く続けて、できるようになったこと、今だにできないことたくさんあります。
ただ、今も昔も変わらないのは、書くことが好きという気持ちです。
思うようにはなかなかできないけれど、一生勉強し続けられるものと出会えたことはかけがえのないことと思い、これからも書道を楽しんでいけたらなと思います。