師範 小林奈々佳
 私が書道を始めたのは5歳の頃でした。どんな出来でも先生はどこか必ず褒めてくださり、うれしくてお稽古に通いました。小学生になると書ける文字も増え、一生懸命お稽古に通えばどんどん昇級していくのが面白かったです。負けず嫌いな性格だったので自分の納得いく作品が書けないととても悔しく、でも”次こそは上手に書きたい”という気持ちが社会人になっても書道を続けている理由の一つです。
 私生活が忙しくなかなか三体作品を揃えられずにいた私に、先生は「出産前までに師範を目指そう」と声をかけてくださいました。師範だなんてまだまだ先のことだと考えていましたが、先生の言葉で目指そうと思いました。結局娘との対面が先で、次の試験での合格になりましたが、子育てをする中での書道は自分の中の何かが整うようで大切な時間になっています。
 これまで以上に書くことが好きになった今、たまに書いてみる子供たちの課題が意外と難しく、自分はまだまだだと実感します。憧れはどんな書体でも、どんな文字でもすらすら書ける市川先生。これからも御指導いただきながら、書くことを楽しんで続けていきたいです。